ADHD(注意欠陥多動性障害)の併存症について
みなさん、こんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の
心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。
今日は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の併存症について、考えてみたいと思います。
精神科の病気は、「不安障害」と「うつ病」、「双極性障害」と「ADHD」など、
一人の方が2つ以上の疾患を持つことが比較的多いことがわかっています。
ADHDの方についてみてみても同様で、ADHDだけでなく、「ASD」「不安障害」
「睡眠障害」「うつ病」「双極性障害」などと合併することがよくあります。
例えばADHDと「双極性障害」を例にとると、双極性障害の症状である
<高揚感、多弁、過活動、不注意、集中困難、衝動性>などは、
いずれもADHDの症状とよく似ていて、一見すると区別が難しいこともあります。
そういうときは、幼少時からの生活歴や、ご家族・先生・友人から指摘されたこと、
時間経過による症状の推移、なども考慮して総合的に慎重に診断し、
最も困っている事柄の改善を優先させて、治療方針をたてていきます。
当院では、ADHDやADHDに併存するお悩みのご相談も受け付けております。
お一人で悩まずにぜひお気軽にご相談くださいね。
みなさん、こんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の南浦和駅前町田クリニックです。
近年、小・中学校の不登校児童は増え続け、厚労省にデータによると令和4年度には29万余りに達したとされ、不登校に至ったきっかけ・原因として最も多いものが「無気力・不安」で49%、次いで「生活リズムの乱れ、あそび、非行」で13%となっています。
また不登校になる子どもの多くに睡眠障害が合併していると言われています。
睡眠障害の中で最も多いのが、睡眠覚醒リズムが後ろにずれていく「睡眠相後退症候群」です。初めは「夜スムーズに眠れない、朝起きるのがつらい」、「学校に行くのがぎりぎり、または少し遅刻してしまう」程度であっても、不登校が長期化するにつれ「昼夜逆転してしまい家族が起きている日中に寝て、家族が寝ている夜に起きだしてくる」「家族と全く会話がない」という状態になってしまうこともあります。
その背景には、発達特性や思春期に発症する精神疾患が隠れていることもありますが、環境要因として「ゲームやスマホへの依存」が関わっていることも少なくありません。
睡眠は子どもの健全な成長と脳の発育にとって重要なものですから、良い睡眠覚醒リズムを取り戻すことは、勉強の遅れを取り戻すと同じ、あるいはそれ以上に重要なことと言えるかもしれません。
改善方法としては、①寝る前にスマホやパソコンを見ない ②午前中に起きて日の光をあびる(ガラス窓越しのひなたぼっこでも効果があります)③睡眠の記録をつけて睡眠リズムを可視化してみる ④睡眠覚醒リズムを取り戻すのに効果のある軽めのお薬を使う 等の方法があります。
睡眠リズムの改善は、簡単なようで意外に難しいこともありますので、ご家族、学校の先生や医院のスタッフとチームを組んで取り組んでみるのもお勧めです。睡眠表を書いて誰かにみせることを習慣にするだけで、一定程度改善することも少なくありません。当院では不登校や睡眠障害のご相談も受け付けております。お一人で悩まずにぜひお気軽にご相談くださいね。
みなさん、こんにちは。
さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の南浦和駅前町田クリニックです。
今日は「自分の強みを知る」というテーマを考えてみたいと思います。
皆さんは毎日の生活の中で「やりたいこと、取り組みたいことが多すぎて、どこから手をつけて良いかわからない」と感じることはないでしょうか。
会社の先輩や上司からのアドバイス、書籍やブログやYouTubeやSNS、など参考にするものが沢山ありますので、時にどうしたら良いのか悩むこともあると思います。
そんな時には、『自分の強み、個性』とは何なのか、をもう一度考えてみると良いかも知れません。
『あれもこれも』よりもまずは自分の特性を理解して、自分に合うことを無理なく自然に、取り組んでみるのが良いかも知れませんね。
自分の強みがわからない、という時には皆さんの良いところを知っている友人や先生に聞いたり、適性テストや能力テストを受けてみることも役に立つでしょう。
自分の強みや弱みが分かりそれを生活や学校、仕事の場で生かせることができれば、自分も周囲もハッピーになれますね。
当院でも、WAIS、WISCなどの能力や適性をみる検査から、うつや不安等の心理スケールまで、さまざまな心理検査を行っています。お一人お一人に合わせたお薬治療や心理療法のご提案もできますので、気になる方は是非お気軽にお問い合わせ下さいね。
皆様こんにちは。南浦和駅前町田クリニックです。
今回は寛解した際の薬物の維持療法について考えてみたいと思います。治療が進んできた時に皆様からよくいただくご質問の1つとして、「症状がだいぶよくなってきてそろそろ職場復帰も考え始めたのですが、治療はいつまで継続するのですか?」というものがあります。
さてうつ病の薬物療法の観点からは、初発エピソードの方は寛解してから少なくとも半年程度は完全寛解に達した時と同じ用量で維持するべきということが言われており、これは再発に関する様々なエビデンスを元に作られた世界標準です。
うつ病の治療目標は寛解を維持して元通りの機能レベルを保つことですが、初回のうつ病エピソードの再発率はおおよそ50%から85%位と比較的高く、再発の回数を重ねるほど完全寛解に到達しにくくなる(完全に治らず症状が一部残ってしまう)ことが知られていますので、「いかに再発を防ぐか」に主眼をおくことが人生の質を高めると考えられます。
「少なくとも半年継続」と聞くと皆様の中には「思っていたより長いなあ。どうしてそんなに長い期間服用しなければいけないの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。それにはうつ病が高血圧や糖尿病のような多因子遺伝の慢性疾患であることや、抗うつ剤が人の体の中で何段階もの作用機序を介してゆっくり効果を出すこと、環境調整や生活行動習慣を改善するのに時間がかかること、等も関係していると考えられます。早く薬をやめたい、とつい気持ちがせいてしまうこともあるかと思いますが、減薬については主治医と相談しながら計画的に行っていきましょう。
皆様こんにちは。南浦和駅前町田クリニックです。
さて今日は「パニック発作」についてお伝えさせていただきたいと思います。当院ではしばしば、次のようなご相談を受けることがあります。
ご相談) 多忙な日が続いたある日、いつものように電車に乗っていると急に不安に襲われ、電車を降りてしまいました。それ以降電車に乗るのが怖くて会社にいけません。最近では電車どころか人の多い街中やスーパーにも行けなくなり引きこもって生活しています。どうしたら良いでしょうか?
お答え)
電車にも乗れず外出もままならず、さぞご不安な日々をお過ごしのことと思います。パニック発作とは、ある日突然、強い不安や動機・発汗、めまいや手の震え、頭が真っ白になる、死んでしまうのではないかという恐怖におそわれる、などの症状が出るものを言います。
パニック発作が出やすい状況としては電車以外にも、エレベーターの中、地下にある居酒屋、人混みの繁華街、などがあげられます。全く誘因もなく起こる場合もあれば、背景に多忙や不眠、仕事やプライベートの深刻な悩みがみられることもあります。
パニック発作の治療法にはどのようなものがあるでしょうか?発作が頻発している急性期には、まず発作を抑えるために薬物治療が最重要になります。具体的には、発作を抑える抗不安薬やストレス耐性を根底から改善して発作をそもそも起こりにくくするSSRIという種類のお薬を使用します。発作が消失した維持期には、薬物治療を継続しつつ心理療法も並行して行うことで、寛解、回復を目指します。
パニック発作を一生に1度起こす人は約10人に1人、そのうち3分の1程度の方は発作が連続するパニック障害に進展するともいわれています。パニック障害を放置してしまうと二次的にうつ病を併発して日常生活に支障をきたしてしまうこともありますので、早めの診断・治療がとても大切となります。もしパニック症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。