~不安を受け入れる~
2017年07月20日
こんにちは、南浦和駅前 町田クリニックです。
今日は「不安を受け入れる」ことを「ACT」という視線からみてみたいと思います。
ACT:Acceptance and commitment Therapy とは、アメリカ生まれのいわば「第三世代の行動療法」と呼ばれるものであり、日本語でいうと「受容して、コミットする」という治療法になります。今までの心理療法、例えば「認知行動療法」などは「認知を変容させる」ことから行動変化を導くことに主眼をおいてきましたが、ACTでは「すべての体験~恐怖、不安、心理的痛みなど~をそのまま受け入れる」そして「自分が大切だと思う価値に向かって主体的に生きる」ことを重要なこととしています。
例えば、「仕事は誰にも文句をいわれないくらい完璧にしなければ」と思うあまりに職場でパニック発作をおこしてしまう会社員の方を考えてみます。彼・彼女には「仕事は完璧にしなければ」というとらわれ・こだわりがあり、「不安発作がおきたらどうしよう」という不安発作への恐怖と「発作がおきないようにしなければ」いう心理的回避がありますが、それらがさらに不安・恐怖と回避を生み、発作を増強させているという状態にあります。
ACTではここで、あえて不安をそのまま受け入れる、あるいはあじわう、不安を不安としてただ眺めている、という手法をとるのです。これにより徐々にですが、「受け入れる」ことをよしとする心構えがそだち、やがて不安発作そのものの軽減がみられ、最終的には発作があったことを忘れてしまうほどになります。
この「あるがままを受け入れる」という手法は日本古来の森田療法にも通じる方法ですが、単純なようでいて奥が深く、意外に有効でいろいろな症状に応用できますので、お悩みの方はどうぞ試してみてくださいね。そしてもちろん、困っている方は当院にお気軽にご相談くださいね。
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