森田療法と小グループワーク「囚人のジレンマ」
2019年03月29日
こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックのリワークのご報告です。
本日は森田療法について行いました。森田療法とは、森田正馬によって考案された、日本独自の精神療法です。不安や恐怖を「あってはいけないもの」として「排除しよう」とすると、かえってそれにとらわれるという悪循環に陥ってしまいます。恐怖や不安はより良くより良く生きようとする欲望(生の欲望)と表裏一体のものであり、人間誰もが持っている自然な感情です。そこで、不安や恐怖をあるがままに受け入れながら、自分らしい生き方を目指していくというような考え方をします。
森田療法における精神交互作用とは、注意と感覚の悪循環で、ある感覚に対して、過度に注意が集中すると、その感覚はより一層鋭敏になり、その感覚が固着されることです。思想の矛盾とは、「こうあるべき」「こうあってはならない」と知性で感情をコントロールしようとする姿勢のことです。そして、思想の矛盾により、知的に感情を解決しようと構えれば、さらに精神交互作用が強まり、なくそうとすればするほど、堂々巡りの袋小路に陥る(「とらわれ」と「はからい」の悪循環)とされます。
そこで、本日は精神交互作用のおこる場面等について分かち合いました。
緊張しないようにしようと思うほど、緊張すること、不安に感じれば感じるほど、不安になること、焦りを感じれば感じるほど、焦ってしまうこと等、それぞれの特性、傾向について分かち合いました。また、様々な感情がありながら行動することができたケース等について、分かち合いました。
ネガティブな感情を抱えたまま、行動することは、大変なことだと思います。行動をとった結果だけでなく、そのプロセスを評価していくことで、自己肯定感を高めること等にもつながるかと思います。
小グループワークでは、囚人のジレンマを実施いたしました。2人の強盗が逮捕されたという前提で、刑事が2人にジレンマを伴う条件を提示いたします、その際にどのような行動をとるかについて、それぞれの意見を出し合いました。そして、囚人のジレンマから社会的ジレンマに話を広げ、駅前駐輪の問題、ポイ捨ての問題等、様々な社会問題についても検討いたしました。
自らの利益のみを求めると結果として悪い方向になってしまうかと思われます。ご自身を大切にしつつも他者の状況等を鑑みて、選択をすることが必要かと思います。
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