うつ病の職場での生産性への影響について~国際比較
2017年10月09日
こんにちは。南浦和駅前町田クリニックです。今日はうつ病の職場に与える影響を国際比較で紹介してみたいと思います。
うつ病は、職場において生産性を低下させる疾患として知られています。この影響は主に次の二つの指標で表すことができます。一つは「アブセンティーイズム」(休職や欠勤による生産性の低下)、もう一つは「プレゼンティーイズム」(十分に回復しない状態で復職・就労していることによる生産性の低下)です。
世界の8カ国(ブラジル、カナダ、中国、日本、韓国、メキシコ、南アフリカ、米国)のうつ病による「プレゼンティーイズム」、「アブセンティーイズム」を比べた2016年の研究によると、一人あたりの年間のアブセンティーイズムによるコストが最も低かったのが韓国で(181ドル)で、最も高かったのが日本(2674ドル)だったそうです。一方で、プレゼンティーイズムによる一人あたり年間コストが最も高かったのが米国(5224ドル)とブラジル(5788ドル)だったそうです。またプレゼンティーイズムによるコストはアブセンティーイズムによるコストと比べて平均5から10倍高かったそうです。
以上の結果より、うつ病による職場への影響として特にプレゼンティーイズムのコストが高いこと、但し日本では各国の風潮とは逆にアブセンティーイズムによるコストが圧倒的に高いことが示されています。
当院では、休職中・再就労活動中の皆さんのために「リワーク」をご用意しています。職場で想定されるストレスへの対処法や継続可能な働き方の提案、自己洞察ワークや復職後の方との交流など、様々な活動を行っています。ご興味のある方はぜひいらしてくださいね。
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