Dr'sコラム

ADHDの症状と原因、薬を使わない対処法について

みなさまこんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

今回は、ADHDの症状とその対処方法についてお伝えします。

<はじめに>

ADHDの方には、良いところが沢山あります。

行動力がある、切換が早くて前向きである、くよくよしない、人と接することが苦にならない、などです。ですが、学校や仕事の場において苦手なこともあるので、それを予め知ってうまく対処していただきたいと思います。

☆ADHDの症状について・・下記のようなものがあります。

・不注意: ミス、集中困難、指示が入らない、タスクを完成できない、段取りが組めない

・多動: 手足をもぞもぞする、離席する、

・衝動性:考える前に動き出す、質問を最後まで聞かずに答える、順番を待てない

 

☆原因・・脳の一部の機能不全があると言われています。

・大脳辺縁系・・感情コントロール不全や怒りっぽさと関係しています

・前頭前野・・深い思考や判断力の低下、注意力や計画を立てる力の低下、などと関係しています。

・ドーパミンやアドレナリンの伝達不足・・意欲や集中力の持続に問題が生じます。

☆お勧めの対処法

・良いところをほめてのばす

・予定をきめる カレンダーや手帳を活用しましょう。
お子さんなら週間スケジュールを壁にはるものもおすすめです。

・課題を1つずつ拾って解決する  スモールステップで解決して達成感を味わいましょう

<動画でも説明しています>

ADHDの症状や原因、薬を使わない対処方法について、知っておいていただきたいことを動画にまとめましたので、ぜひご覧くださいね。

パニック障害・パニック発作の原因と症状、治療法について

みなさまこんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

今回は、パニック障害やパニック発作についてお伝えします。

パニック障害は、特定の場面において強い不安や緊張、及び動悸や発汗、手足のふるえ、などが起こるものです。電車の中や映画館の中、地下の居酒屋さん、などの閉所においては、「逃げられない」「自分の力でコントロールできない」という恐怖を伴います。

上記のような発作がおこると、似たような場面において「また不安がおきたらどうしよう」という予期不安がおこり、その場面を回避するようになり、さらに不安が増すのでまたその状況を回避する、という悪循環がおこってしまいます。

パニック障害の治療薬について、パニック発作が頻発する急性期には、抗不安薬でしっかりと発作をおさえることが一般的です。これにより、普段の生活や仕事に支障がでることを防ぎます。一方で、そもそもパニック発作がおきずに安心して生活できるようにするためには、不安に対する感受性を整えてくれる漢方薬やSSRIを使用したり、心理療法を行ったりすることが有効です。

パニック発作がおこる状況やご本人の生活・仕事のスタイルなどを総合的に考慮して、治療法を主治医とよく相談するのが望ましいでしょう。

パニック障害の原因と症状、治療法について、知っておいていただきたいことを動画にまとめましたので、ぜひご覧くださいね。

不眠症のタイプと薬物治療について

みなさまこんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

不眠症の症状にはいくつかタイプがあることと、お薬を使わない治療方法については、前回のコラムでお伝えいたしましたね。今回は、不眠症の薬物治療についてお伝えいたします。

不眠症の治療薬は大きく4つに分けられます。①抗不安効果や催眠・鎮静作用のある「ベンゾジアゼピン受容体作動薬」 ②ふらつきや依存性の心配が少ない「非ベンゾジアゼピン受容体作動薬」 ③脳の覚醒スイッチを切る「オレキシン受容体拮抗薬」 ④体内時計に働きかけて睡眠リズムを整える「メラトニン受容体作動薬」 です。

不眠症状のタイプや年齢、生活環境、副作用などに留意して、必要最小限のお薬を適切に使うことで症状の改善を図るのが望ましいでしょう。

不眠症のタイプとお薬治療について、知っておいていただきたいことを動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。

不眠症のタイプとその原因、治療法について

みなさまこんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

不眠の症状には、①入眠困難 ②中途覚醒 ③早朝覚醒 ④熟眠障害 という4つがあります。これらいずれかの症状があり、かつ、「不眠により元気がでない」「日中のパフォーマンスが低下する」など日中に何らかの支障が生じると、「不眠症」として診断・治療することになります。

不眠の原因には様々あります。神経質な性格などの遺伝要因、不規則な生活などの環境要因、喘息や睡眠時無呼吸症候群などの身体要因、降圧剤や利尿剤などの薬剤、飲酒やタバコが影響していることもあります。

不眠症の治療は、適切な睡眠時間と起床時刻を設定して、生活習慣や環境の改善をすることから始めます。また睡眠に関する考え方や行動を見直す「認知行動療法」も有効な治療方法です。

不眠症のタイプと原因、薬を使わない治療法について、知っておいていただきたいことを動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。

適応障害、うつ状態、うつ病の休職~症状と休職すべきサイン、診断書について

みなさまこんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

もうすぐ4月ですね。4月といえば、働く方がたにとっては異動の時期ですね。異動して新しいところでやっていけるだろうか、初めての業務を覚えられるだろうか、人間関係はどうだろうか、とご心配の方も多いかと思います。また子育て中の方にとっては、お子さんの進学や進級の時期ですね。小学生はもちろん、中高生であっても何かと親御さんの出番が多いものですよね。そんなこんなで毎日忙しく働いているうちに、次第に疲れてしまうこともあるかと思います。

もしも、朝の気分が重い、朝にベッドから起きられない、毎日が楽しくない、食事が美味しく感じられない、夜に眠れない、などの症状がでてきたら、それは適応障害やうつ症状のサインかもしれません。我慢しすぎず、家族や同僚などとも相談して、早めに受診することを検討してみましょう。

受診したら、今すぐ休むべきなのか、少ししてから休んだほうがよいのか、なども主治医とよく相談して、必要であれば休職の診断書を発行してもらいましょう。 休職の診断書には、必ずかいてもらうべき事項がありますので、それについても知っておきましょう。

適応障害やうつ症状で休職すべきサインについて、知っておいていただきたいことを動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の併存症~不安障害、うつ病、双極性障害など~

ADHD(注意欠陥多動性障害)の併存症について

 

みなさん、こんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の

心療内科・精神科の南浦和駅前町田クリニックです。

 

今日は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の併存症について、考えてみたいと思います。

 

精神科の病気は、「不安障害」と「うつ病」、「双極性障害」と「ADHD」など、

一人の方が2つ以上の疾患を持つことが比較的多いことがわかっています。

 

ADHDの方についてみてみても同様で、ADHDだけでなく、「ASD」「不安障害」

「睡眠障害」「うつ病」「双極性障害」などと合併することがよくあります。

 

例えばADHDと「双極性障害」を例にとると、双極性障害の症状である

<高揚感、多弁、過活動、不注意、集中困難、衝動性>などは、

いずれもADHDの症状とよく似ていて、一見すると区別が難しいこともあります。

 

そういうときは、幼少時からの生活歴や、ご家族・先生・友人から指摘されたこと、

時間経過による症状の推移、なども考慮して総合的に慎重に診断し、

最も困っている事柄の改善を優先させて、治療方針をたてていきます。

 

当院では、ADHDやADHDに併存するお悩みのご相談も受け付けております。

お一人で悩まずにぜひお気軽にご相談くださいね。

 

不登校と睡眠障害~ゲーム依存、スマホ依存、起床困難、遅刻、等との関連~

みなさん、こんにちは。さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の南浦和駅前町田クリニックです。

近年、小・中学校の不登校児童は増え続け、厚労省にデータによると令和4年度には29万余りに達したとされ、不登校に至ったきっかけ・原因として最も多いものが「無気力・不安」で49%、次いで「生活リズムの乱れ、あそび、非行」で13%となっています。

また不登校になる子どもの多くに睡眠障害が合併していると言われています。

睡眠障害の中で最も多いのが、睡眠覚醒リズムが後ろにずれていく「睡眠相後退症候群」です。初めは「夜スムーズに眠れない、朝起きるのがつらい」、「学校に行くのがぎりぎり、または少し遅刻してしまう」程度であっても、不登校が長期化するにつれ「昼夜逆転してしまい家族が起きている日中に寝て、家族が寝ている夜に起きだしてくる」「家族と全く会話がない」という状態になってしまうこともあります。

その背景には、発達特性や思春期に発症する精神疾患が隠れていることもありますが、環境要因として「ゲームやスマホへの依存」が関わっていることも少なくありません。

睡眠は子どもの健全な成長と脳の発育にとって重要なものですから、良い睡眠覚醒リズムを取り戻すことは、勉強の遅れを取り戻すと同じ、あるいはそれ以上に重要なことと言えるかもしれません。

改善方法としては、①寝る前にスマホやパソコンを見ない ②午前中に起きて日の光をあびる(ガラス窓越しのひなたぼっこでも効果があります)③睡眠の記録をつけて睡眠リズムを可視化してみる ④睡眠覚醒リズムを取り戻すのに効果のある軽めのお薬を使う 等の方法があります。

睡眠リズムの改善は、簡単なようで意外に難しいこともありますので、ご家族、学校の先生や医院のスタッフとチームを組んで取り組んでみるのもお勧めです。睡眠表を書いて誰かにみせることを習慣にするだけで、一定程度改善することも少なくありません。当院では不登校や睡眠障害のご相談も受け付けております。お一人で悩まずにぜひお気軽にご相談くださいね。

WAIS/WISC検査~ADHD,ASD,二次障害としての不安障害やうつ病

みなさん、こんにちは。
さいたま市の南浦和駅から徒歩1分の南浦和駅前町田クリニックです。

今日は「自分の強みを知る」というテーマを考えてみたいと思います。

皆さんは毎日の学校や仕事生活の中で「課題の締め切りに間に合わない」「つい、好きなことだけやってしまう」「先のばししてしまう」「時間管理が苦手」「優先順位をつけるのが苦手」「人とうまく関われない」「マイペースと言われる」などのお悩みはないでしょうか。

上記の特性から学校の勉強や仕事に深刻な支障をきたしていて、既に生活の中で様々な工夫をしているけれど、著明な改善がなく、受診や診断・治療も視野に入れ始めた、という方は、『自分の強み、弱み、特性』を客観的に把握するために、WAISやWISC検査を受けることを考えてみると良いかも知れません。

ADHDやASD特性、あるいは知的障害によるお困り事について、ある程度の客観的な裏付けがとれると、治療にも前向きになれることがあります。

また、早期発見・早期治療に取り組むことにより、自己肯定感の低下や不安障害・うつ病などの二次障害が出現することも防げます。

当院では各人の症状に合わせた心理検検査や心理・薬物治療のご提案ができますので、気になる方は是非お気軽にお問い合わせ下さいね。

うつ病の薬物治療~いつまで服用するのか~服薬期間、再発率、職場復帰、寛解~

皆様こんにちは。南浦和駅前町田クリニックです。

今回は寛解した際の薬物の維持療法について考えてみたいと思います。治療が進んできた時に皆様からよくいただくご質問の1つとして、「症状がだいぶよくなってきてそろそろ職場復帰も考え始めたのですが、治療はいつまで継続するのですか?」というものがあります。

さてうつ病の薬物療法の観点からは、初発エピソードの方は寛解してから少なくとも半年程度は完全寛解に達した時と同じ用量で維持するべきということが言われており、これは再発に関する様々なエビデンスを元に作られた世界標準です。

うつ病の治療目標は寛解を維持して元通りの機能レベルを保つことですが、初回のうつ病エピソードの再発率はおおよそ50%から85%位と比較的高く、再発の回数を重ねるほど完全寛解に到達しにくくなる(完全に治らず症状が一部残ってしまう)ことが知られていますので、「いかに再発を防ぐか」に主眼をおくことが人生の質を高めると考えられます。

「少なくとも半年継続」と聞くと皆様の中には「思っていたより長いなあ。どうしてそんなに長い期間服用しなければいけないの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。それにはうつ病が高血圧や糖尿病のような多因子遺伝の慢性疾患であることや、抗うつ剤が人の体の中で何段階もの作用機序を介してゆっくり効果を出すこと、環境調整や生活行動習慣を改善するのに時間がかかること、等も関係していると考えられます。早く薬をやめたい、とつい気持ちがせいてしまうこともあるかと思いますが、減薬については主治医と相談しながら計画的に行っていきましょう。

パニック発作の治療法~不安や動悸を抑える方法、心理療法とSSRIによる治療~

皆様こんにちは。南浦和駅前町田クリニックです。

さて今日は「パニック発作」についてお伝えさせていただきたいと思います。当院ではしばしば、次のようなご相談を受けることがあります。

ご相談) 多忙な日が続いたある日、いつものように電車に乗っていると急に不安に襲われ、電車を降りてしまいました。それ以降電車に乗るのが怖くて会社にいけません。最近では電車どころか人の多い街中やスーパーにも行けなくなり引きこもって生活しています。どうしたら良いでしょうか?

お答え)

電車にも乗れず外出もままならず、さぞご不安な日々をお過ごしのことと思います。パニック発作とは、ある日​突然、強い不安や動機・発汗、めまいや手の震え、頭が真っ白になる、死んでしまうのではないかという恐怖におそわれる、などの症状が出るものを言います。

 パニック発作が出やすい状況としては電車以外にも、エレベーターの中、地下にある居酒屋、人混みの繁華街、などがあげられます。全く誘因もなく起こる場合もあれば、背景に多忙や不眠、仕事やプライベートの深刻な悩みがみられることもあります。

パニック発作の治療法にはどのようなものがあるでしょうか?発作が頻発している急性期には、まず発作を抑えるために薬物治療が最重要になります。具体的には、発作を抑える抗不安薬やストレス耐性を根底から改善して発作をそもそも起こりにくくするSSRIという種類のお薬を使用します。発作が消失した維持期には、薬物治療を継続しつつ心理療法も並行して行うことで、寛解、回復を目指します。

パニック発作を一生に1度起こす人は約10人に1人、そのうち3分の1程度の方は発作が連続するパニック障害に進展するともいわれています。パニック障害を放置してしまうと二次的にうつ病を併発して日常生活に支障をきたしてしまうこともありますので、早めの診断・治療がとても大切となります。もしパニック症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。