Dr'sコラム

脳の炎症に関する新たな知見

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。

今日の話題は「脳の炎症」です。

2015年10月のAmerican Journal of Psychiatryという雑誌の論文によると、統合失調症の方および統合失調症のハイリスク群の方々の脳の免疫担当細胞が、一般の方に比べて活発な状態にあることが判明したそうです。

これは新たな知見で、アルツハイマー病やうつ病と同じく、統合失調症が顕在発症する前の段階から炎症に関係していることを示唆しています。本格的に発症する前の段階から予防的に治療を行うことがもし可能になれば、患者さんの予後が劇的に改善され、より豊かな人生を送ることが可能になるでしょう。

統合失調症に限らず、心療内科や精神科領域の病気は、「早期発見」「早期治療」が予後を大きく改善することがわかっています。

季節の変わり目に、ちょっとしたメンタルの異変を感じることがありましたら、どうぞお気軽に   南浦和駅前 町田クリニックまでご相談くださいね。スタッフ一同、全力でみなさまの精神的健康をバックアップさせていただく所存です。

 

思春期のストレスコーピングについて

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。

今回は「ストレスコーピングと精神疾患の予後との関連」について、ニューヨークの公立高校生を対象に前方視的に行われたスタディからのご報告です。

避けることのできないライフイベントにどのように対応(コーピング)するかというのは、その人の身体的・精神的な健康状態に影響すると言われています。

コーピングスタイルを大きく3つに分けると、A.ストレスフルな状況を変えようとする課題志向的なコーピング B.ネガティブな感情と自己非難を伴う感情志向性コーピング C.問題から注意を背けるような回避的コーピング があるとされます。以上の3つの中ではAがもっとも適応的なコーピングであるとされ、抑うつや不安、PTSD症状の悪化や物質(アルコールなど)乱用リスクが少ないと言われています。

今回のスタディでは、男女別に17才・24才・33才という3つの横断面でのコーピングスタイルと精神状態とが観察されました。その結果、①17才の時点で感情志向性コーピングを用いることは大うつ病および不安障害のリスクをやや高めること、②17才時に課題志向的なコーピングを用いることは物質乱用リスクを低めること、③年齢が上がるとともにより成熟的なコーピングスタイルをとること、がわかったそうです。

スタディはここまでで、考えてみると当たり前とも言える内容ではありますが、とはいえ17才といえばまだ思春期の真っ只中。人生の経験値も少なく、双極性障害や統合失調症の初期症状が出現する頃とも重なるような不安定な時期です。このような時期にストレスフルな出来事に遭遇して果たして課題志向的なコーピングができるのか?というと、そうでない場合も多々あることでしょう。

そんな時に町田クリニックのスタッフ一同は、ほっとできる環境の中でじっくりと寄り添い、少しずつクライアントさんの心が癒やされるようお手伝いしてゆきたい、と思い日々研鑽しております。

人生のさまざまな課題に直面している中高校生の方々、どうぞお気軽にご相談にいらしてくださいね。

 

ADHDについて

こんにちは。南浦和駅前 町田クリニックです。 今日はADHDについてのお話になります。

ADHDとは、Attention Deficit hyperactivity Disorderの略で、日本語では「注意欠陥・多動性障害」と言い、大きく分けると「発達障害」というカテゴリーに入ります。

正式にADHDと診断されるにはいくつか条件があります。それは、「DSM-5の診断基準(不注意症状9項目、多動・衝動性項目9項目のどちらか、あるいは両方を17歳以上では6項目以上、16歳以下では6項目以上満たすこと)に合致すること、症状が12歳未満から存在していること、社会生活や仕事、学業の面で機能が損なわれていること、ほかの精神的・身体的障害では説明できないこと」です。脳の病態説明としては、前頭前野、特に注意や実行機能をつかさどるノルアドレナリンの機能不全が関係していると言われています。

これでは何のことかわからない、という方が多いと思うのでもう少し具体的にみていきたいと思います。

小児では、「忘れ物が多い、気がちりやすい、不器用」などの不注意が目立つ子、「落ち着きがない、ささいなことで大声を出しやすい」などの多動・衝動性が目立つ子、そしてその両方がまざりあうタイプの子がいます。この特性のために家庭や学校でトラブルとなることがままあり、「決まった時間に自分から起きて身支度を手早く整える」ということが苦手なために「なまけている」と思われることもあります。

大人になるにつれて、ある程度自分の特性を客観的にとらえて知恵と工夫で補うことができるようになってきます。しかしながら、おおよそ小児のADHDの5~7割が成人期に症状を持ち越すと言われており、「段取りが悪く、遅刻しがち」「大切な約束を忘れてしまう」「対人関係がうまくいかない」「待てない。よけいな言動をしてしまう」などの悩みを持ちながら日々過ごしている成人期ADHDの方は意外に多いのです。

当院では、このようなお悩みを持つ方に対して、カウンセリングや心理検査、生活指導、そして必要に応じて薬物治療を併用しながら治療を行っています。現在日本でADHDに対して使える薬物にはアトモキセチン(ストラテラ)、メチルフェニデート(リタリン、コンサータ)があります。お一人お一人のおかれた状況を考慮しながら、副作用や注意点をご説明した上での適正使用を行っています。

ADHDや発達障害についてのお悩み・ご相談がある方はお気軽に当院までご連絡ください。

「緊張型頭痛」について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。
今日は頭痛の中でもっとも多くみられる「緊張型頭痛」についてのお話になります。

頭痛には大きくわけると「緊張型頭痛」と「片頭痛」があり、「緊張型頭痛」はおおよそ一次性頭痛の半数以上を占めると言われます。患者さんの6-7割は女性で、年齢層は20歳前後から高齢者まで幅広く分布しています。

一般的には仕事や家事で疲れてくる午後以降に起こることが多く、主観的には「頭が締め付けられるよう」「帽子をかぶっているよう」などと感じられます。なぜこのような頭痛がおこるかというと、筋肉が過緊張の状態が続くと筋肉が酸欠になり、痛み物質を発しそれが脳に伝わるからと考えられます。

ご自分でできる対策としては心身のリラックスをする、無理な姿勢を長時間続けない、などがあげられます。仕事や家事の合間に軽く体操をする、ティータイムをとる、あるいは時間がとれればゆったりと入浴するなどもおすすめですね。

それでも改善しないときには漢方薬を含むお薬が有効な場合も多いですが、中には「うつ病」など他の病気が隠れていることもあります。ですので「頭痛がなかなか治らない」という場合には専門家を受診した方がよいでしょう。

長引く頭痛でお困りの方はお気軽に当院までご相談くださいね。

「感情」について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

私たちが日々感じる感情にはさまざまなものがあります。「楽しい」「嬉しい」「気持ちが良い」というポジティブなものもあれば、「悲しい」「怒り」「こわい」というネガティブなものもありますね。

ネガティブとされる感情についてともすると、「こんな感情が湧くなんて自分は未熟でダメな人間だ」とか、「こんな感情を周囲に表してしまうと拒絶されてしまうのではないか」などと考えて抑えてしまうこともあるのではないでしょうか。

しかし感情とは、生物がさまざまな状況を適切にくぐりぬけていく上で必然的に起こってくる、生体防御反応ですから、あらゆる感情には意味があるのです。どんな感情であれ、「感じた以上は正しい」という考えのもと、そのまま感じてみてくださいね。

これは特に「うつ状態」「気分変調症」などと診断されている方におすすめの方法です。

抱えておられるお悩みやご相談がありましたら、お気軽に当院までご相談くださいね。

リワークの目標とは?

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

リワークの目標とは何でしょうか?それは、再休職に至ることを予防することだと考えます。継続可能な就労を達成維持するためには、今回の休職の理由を自分自身で整理して、復職後の再休職を防ぐ手立てを予め用意しておく、ということが必要でしょう。

当院ではリワークプログラムやカウンセリング、主治医との面談などを通して、休職に至るまでの経緯を分析し、その間の病状変化、環境因子の変化、および自身に内在する因子についても洞察を深めます。自己の内面や組織内での役割を見つめ直すことで、仕事への取り組み方やトラブルへの対応法が異なってきますし、ワークライフバランスや生き方そのものまで変わってくる場合もあるのですね。

休職や復職についてのお悩みやご相談は、お気軽に当院までご相談くださいね。

社交不安障害(SAD)の「不安」について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

「社交不安障害(SAD)」とは、「社交恐怖」「社会恐怖」などとも呼ばれ、最近ではだいぶ知名度が高まってきました。SADの方たちの感じる「不安」とは、人間として人と関わる中で抱える了解可能のもので、誰もが感じるタイプの不安です。しかしその不安が日常生活の全般に及び生活を支配するような状態になると、「引きこもり」「不登校」「職場での適応不全」などを引き起こしてしまいます。このような場合には、強い不安を抱えている「自分」を意識するよりも、「不安という症状」に目をむけてみましょう。そして、「症状をなくす」ことから、「症状をコントロール」することにシフトしてみると、意外に症状も軽減するものです。

上記のような問題でお悩みの方は、お気軽にご相談くださいね。

花粉症のお薬と心療内科のお薬の飲み合わせについて

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

今年は例年にくらべて花粉の飛散量が多く、花粉症のお薬を服用しておられる方も多くみえます。そこで最近はよく「飲み合わせ」についてのご質問をいただくのですが、花粉症のお薬と心療内科のお薬を併用しても、基本的には問題となることはありません。

心療内科のお薬には、主に「抗不安薬」(デパス、セルシン、ワイパックスなど)、「睡眠薬」(マイスリー、ルネスタ、ロヒプノールなど)、「抗うつ薬」(パキシル、デプロメール、レクサプロ、サインバルタなど)、「気分安定薬」(リーマス、デパケンなど)、「抗精神病薬」(リスパダール、セレネース、ジプレキサ、セロクエルなど)などがあります。

一方で花粉症の薬には、「抗ヒスタミン薬」(ザジデン、アレグラなど)、「ロイコトリエン拮抗薬」(オノン、シングレアなど)、「メディエーター遊離抑制薬」(インタールなど)、「トロンボキサンA2阻害薬」(バイナスなど)があります。

これらの薬を飲み合わせても特に問題はありません。ただし、心療内科のお薬も、花粉症のお薬も、眠気を引き起こすことが多いため、眠気の増強には注意が必要です。

眠気をうまく利用して睡眠の改善につなげることができる場合もありますし、日中に過度の眠気が出るためにお薬の調整が必要となる場合もあります。

上記のお薬を併用されていてご心配な方はどうぞ当院までご相談くださいね。

高齢者の「うつ」について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

こどもや大人が「うつ」になるように、高齢者でも「うつ」になることがあります。

うつ症状が出るきっかけとしては、退職、ご自身や配偶者の体調不良、脳卒中や骨折後の身体機能低下、知り合いの不幸、金銭的トラブル、性的な悩みなどがあります。若い方よりも身体的な症状が前景に出ることが多く、頭痛やしびれ、めまいや耳鳴り、食欲低下や不眠が「うつ」の症状であることがあります。

高齢者の「うつ」症状においてほかに注意することは、それが認知症やパーキンソン病などの、脳変性性疾患の始まりであるというケースです。元気がなくなり睡眠や食事のリズムが乱れてきたと心配していたら、後から認知機能の低下が目立つようになってきて、認知症と診断されるような場合もあります。

当院ではご高齢者の「うつ」「食欲低下」「不眠」「物忘れ」などのご相談も承っており、早期診断・早期治療に努めております。お困りの方はお気軽にご相談くださいね。

PMS(月経前症候群)について

こんにちは。さいたま市南区の心療内科「南浦和駅前 町田クリニック」です。

今日は女性の皆さんへのメッセージになります。
皆さんは「PMS:月経前症候群」という言葉を聞いたことはありますか?
生理前に、「イライラ」「気持ちの落ち込み」「腹痛」「過眠」など様々な症状がおこるもので、
起こる症状や期間は個々人によってもことなります。

排卵後の女性ホルモンの急激な変化が影響しているといわれますが、精神的な要素や性格も
症状の出かたや程度に関与しているようです。

PMSの症状が強いと、生活や仕事、人間関係にも支障をきたすことがあります。
ご自分のPMS症状が生理のどのくらい前からどのようにしておこるかを調べて、その時期には無理をしないようにする、心療内科・精神科や婦人科で相談するというのもおすすめの方法です。

当院では、お話を聞いて対策を一緒に考えたり、適した漢方薬や西洋薬を処方したりしています。

PMSでお悩みの方はどうぞお気軽にご相談くださいね。