月経前症候群(PMS)
月経前症候群(PMS)とは
生理の1週間ほど前から、下腹部や乳房の痛み、むくみ、過食傾向、感覚過敏、倦怠感、いらいらや憂うつなどの症状が現れ、日常生活や社会生活、人間関係などに支障をきたしてしまうものです。
頭痛や肩こり、便秘や下痢、過食傾向などの自立神経症状や、イライラや憂うつ、無気力、不安などの精神症状、そしてむくみや倦怠感などの女性ホルモンによる症状が現れることがあります。症状の種類や程度にはかなり個人差がありますが、複数の症状が重なって現れるケースがほとんどです。
症状があらわれるタイミングも、生理2週間前からあらわれる人もいれば、2,3日前に集中して症状があらわれる人もおり、1人1人の患者様によって、大きく違いがあります。
- ゆううつな気分
- イライラして怒りっぽい
- 不安
- 感情の起伏が激しくなる
- 集中力の低下
- 無気力
- 過食傾向
- 自制ができない
- 腰痛
- 乳房の張り
- むくみ・全身倦怠感
- めまい
- 頭痛
- のぼせ、ほてり
- 冷え
- 便秘
- 睡眠障害
- 関節痛・筋肉痛
薬によらない治療法
症状日記とセルフケア
症状日記をつけ自分の症状やリズムを知ることで、対処しやすくなります。 また自分が心地良いと思えるような活動、気分転換やマッサージ、リラクゼーションなど、セルフケアをしてみるのも有効です。 普段の生活では、健康的な食事と十分な睡眠をとり、有酸素運動も取り入れてみましょう。 また、カフェインやアルコール、喫煙は控えたほうがよいでしょう。
薬による治療
西洋薬による対症療法
痛みに対しては鎮痛剤、むくみに対しては漢方や必要に応じて利尿剤を、自律神経症状や精神症状に対しては、抗不安薬やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)を使用することがあります。
お薬に頼るというと抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、PMSの時期には寝たきりになり学校や仕事を休まざるを得ないような重症の方の場合には、むしろ積極的にお薬を利用してつらい時期を乗り切ってみるのも一つの方法ではないでしょうか。お薬の種類は体質や副作用の可能性などを考慮してよく相談した上で決定します。
漢方治療
個人の証(症状や体質)に合わせて、漢方薬を使用します。当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などが一例です。当院では煎じてのむタイプの生薬ではなく、製薬メーカーが出している既製品を処方しますので、管理保存が簡単で飲みやすく効果も一定しています。