日本では一般成人のうち約21%が不眠に悩んでおり、約15%が日中の眠気を自覚しているという調査結果があります。つまり、成人の5人に1人の人が不眠に悩んでいると推計されます。睡眠障害は日中の眠気やだるさ、集中力低下などにつながり、生活の質を落としてしまいます。また睡眠不足や睡眠障害が長期間持続すると、生活習慣病やうつ病などになりやすくなると言われています。ですから、医師に相談の上で早めに適切な対処をすることが大切です。
睡眠障害のサインや症状は、
不 眠
日中の過剰な眠気
睡眠中に起こる異常行動や異常知覚・異常運動
睡眠・覚醒リズムの問題
の4つに大きく分けられます。
- 不眠(入眠困難、途中で起きてしまう中途覚醒、早朝の覚醒、熟睡できない)
- 過眠(日中眠くてしかたない、居眠りをして注意をされる)
就寝時の異常感覚(脚がむずむずしたり火照ったり、脚をじっとさせていられないためによく眠れない、夕方以降に悪化)
→ むずむず脚症候群の可能性があります。 - 睡眠・覚醒リズムの問題適切な時刻に入眠できず、希望する時刻に起床することができない)
→ 睡眠表で睡眠・覚醒リズムをチェック・概日リズム睡眠障害の可能性があります。
- いびき・無呼吸(いびき、睡眠中の無呼吸や浅い呼吸)
→ 睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。 - 睡眠中の異常行動(寝ぼけ行動、寝言、睡眠中の大声・叫び声)
→ 夢との関連性がありますか?睡眠時随伴症の可能性があります。
ストレスなどが関与している場合があるので、ストレスの軽減につとめましょう。
睡眠中の寝ぼけ行動に対しては、危険に配慮した寝室環境を整えましょう。
- 重症度によって治療法が異なります。経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)や口腔内装置などが使われます。肥満がある場合は、ダイエットも有効です。飲酒や睡眠薬により悪化します。
- 抗てんかん薬や抗パーキンソン病薬などが使われます。専門医の診察が必要です。
- 規則的な生活を心がけるようにしましょう。昼休みの短時間の昼寝をうまく取り入れましょう。
- 体内時計をリセットし、通常の一日のリズムに合わせるためには、朝たっぷり光を浴びるようにしましょう。休日でも同じ時刻に起床して、光を浴びるのがコツです。
入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、などの不眠症状に対しては睡眠薬や、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬なども使用されることがあります。信頼できる医師に相談して、必要最小限の用量を、正しいタイミングで使用します。また、睡眠時間や就寝時刻にこだわりすぎず、毎日なるべく同じ時刻に起床・就寝することを心がけましょう。